LTE
通信事業者ネットワークでセキュアにインターネットを使う
第4世代の携帯電話用通信規格。Long Term Evolutionの頭文字で、4G LTEなどと称することもある。当然、世界標準の通信規格として広く使われている。
日本では2010年にドコモが商用サービスを開始し、現在のデータ通信インフラを支えている。2020年には5G通信のサービスが開始されているが、その普及には時間がかかるため、当面の間は4Gと5Gを混在して使い続けることになる。このあたりの事情は2010年当時、3Gから4Gへの移行期のことを思い出してみてほしい。
LTEは、追ってその拡張規格としてLTE-Advancedが策定され、CA(キャリア・アグリエーション)の技術を使い、複数の周波数帯を組み合わせて利用することができるようになった。最初は2つの周波数を束ねる形から始まり、現在では3波の周波数帯を束ねることができるようになり、理論上の最大受信速度は1.7Gbpsに達している。
SIMスロットを装備し、LTE通信をサポートするパソコンも増えてきた。まるでスマホのように電源を入れればWi-Fi等の電波がなくてもすぐにインターネットにつながるパソコンだ。
LTE対応パソコンは、製品ごとに対応バンドと対応CAの種類が異なる。ドコモやau、ソフトバンクなど、使う予定の通信事業者がどのバンドを使っていて、どのCAの組み合わせでサービスしているかを調べておこう。
LTEで利用する周波数は、バンド名で表される。
通信事業者 |
使用LTEバンド |
au |
1/3/11/18/26/28/41/42 |
NTTドコモ |
1/3/19/21/28/42 |
ソフトバンク |
1/3/8/11/28/41/42 |
楽天モバイル |
3/18 |
たとえば、A社のパソコンのスペック表を見ると、対応バンドとして、
1、3、8、18、19、21、28、41
と記載され、受信最大300Mbpsと記載されているのみだ。一方、B社のパソコンのスペック表を見ると、
・LTE FDD : Band 1,2,3,4,5,7,8,11,12,13,17,18,19,20,21,26,28,29,30,66
・LTE
TDD : Band 38,39,40,41
・WCDMA
: Band 1,2,4,5,8
と記載され、下り最大450Mbpsがアピールされている。FDDとTDDはLTEの方式の違いだ。またWCDMAは3G通信バンドを示す。見ればわかるようにメーカーごとに表現がまちまちだ。
また、IoT(インターオペラビリティテスト)と呼ばれる通信事業者ごとの設備との相互接続試験がきちんと実施されているかどうかもポイントだ。各社ともに、日本の通信時業者の使っているバンドにはきちんと対応しているものの、最大速度が得られる高速サービスのためには、基地局、端末、そしてバンドの周波数のすべての条件が揃う必要があってなかなかたいへんだ。LTEの通信速度は設備や機器がどのCAT(UE Category)なのかに依存する。最大300MbpsならCAT5、450MbpsならCAT9対応だと想像できるが、明確にスペックとして記載されていないというのは通信機器としてどうかと思う。
そして時代は5Gで、パソコンの中にも5G通信ができる製品が増えてきている。実際のサービスエリア展開はまだまだだが、それでも今後はLTEに加え、5G通信のサポートについてもパソコン選びに影響を与えそうだ。